2022年4月中旬に、新刊が出ます。
「めざせ即戦力レジデント! 小児科ですぐに戦えるホコとタテ 小児科ではコモンなディジーズの診かた」という、とんでもなく長いタイトルです。
あまりに長いので、「即戦力レジデント小児科」と略すことをお勧めします。
はっきり言って、力作です。
図表を除いて、テキストだけで31万文字です。
ポケットに入りそうになかったので、症例要約サンプルはwebで参照するシステムです。
序文については、こちらに書きました。
今回は、即戦力レジデント小児科の魅力について書きます。
このページの目次です。
小児科ポケットマニュアル最大の守備範囲
まず本書の目次をご覧ください。
症候学
- 発熱
 - 咳嗽・鼻汁
 - 喘鳴
 - 下痢・腹痛・嘔吐
 - 血便
 - けいれん重積
 - 胸痛
 - 徐脈
 - 頻脈
 - 不整脈
 - 失神
 - 頭痛
 - 血尿
 - 蛋白尿
 - 発疹
 
各論
- ウイルス性上気道炎
 - 中耳炎
 - 副鼻腔炎
 - 気管支炎
 - 肺炎
 - 細気管支炎
 - クループ症候群
 - 急性喉頭蓋炎
 - 溶連菌感染症
 - アデノウイルス感染症
 - インフルエンザ
 - RSウイルス感染症
 - ヒトメタニューモウイルス感染症
 - 手足口病・ヘルパンギーナ
 - ノロウイルス胃腸炎
 - ロタウイルス胃腸炎
 - 突発性発疹
 - 伝染性単核症
 - マイコプラズマ感染症
 - 単純ヘルペスウイルス感染症
 - おたふくかぜ
 - 水痘
 - 伝染性紅斑
 - 百日咳
 - 伝染性膿痂疹
 - 蜂窩織炎・丹毒
 - 肛門周囲膿瘍
 - 化膿性リンパ節炎
 - 眼窩隔膜前蜂窩織炎・眼窩蜂窩織炎
 - 敗血症
 - ウイルス性胃腸炎
 - 細菌性腸炎(区分4)
 - 急性虫垂炎(区分2)
 - 腸重積症(区分2)
 - アセトン血性嘔吐症
 - 周期性嘔吐症
 - 肥厚性幽門狭窄症
 - 過敏性腸症候群
 - 便秘症
 - 心筋炎
 - 起立性調節障害
 - 川崎病
 - IgA血管炎
 - 無菌性髄膜炎
 - 細菌性髄膜炎
 - 熱性けいれん
 - 憤怒けいれん
 - 脳炎・脳症
 - 胃腸炎関連けいれん
 - てんかん
 - ギラン・バレー症候群
 - 片頭痛
 - 緊張型頭痛
 - 尿路感染症
 - 水腎症
 - 膀胱尿管逆流現象
 - 溶連菌感染後急性糸球体腎炎
 - ネフローゼ
 - 溶血性尿毒症症候群
 - 尿道下裂
 - 停留精巣
 - 精巣捻転
 - 夜尿症
 - 糖尿病性ケトアシドーシス
 - 糖尿病
 - 成長ホルモン分泌不全性低身長
 - SGA性低身長
 - 特発性低身長
 - クレチン症
 - 早発乳房
 - 思春期早発症
 - 肥満症
 - 好中球減少症
 - 免疫性血小板減少症
 - 鉄欠乏性貧血
 - アナフィラキシー
 - 食物アレルギー
 - 気管支喘息
 - 気管支喘息の急性増悪
 - 喘息性気管支炎
 - 乳児脂漏性皮膚炎
 - アトピー性皮膚炎
 - 多形紅斑
 - 蕁麻疹
 - アレルギー性鼻炎
 - 周期性・アフタ性口内炎・咽頭炎・リンパ節炎症候群(PFAPA)
 - 全身性エリテマトーデス
 - 熱傷
 - 頭部打撲
 - 異物誤飲
 - 熱中症
 - 緊張性気胸
 
15個の症候学と、92個の各論。
併せて107項目は、私の知る限り、小児科ポケットマニュアル最大です。
ファーストタッチが63項目、レジデントマニュアルが新生児や手技などを足しても95項目です。
しかも、本書は総論と各論だけではありません。
むしろ肝となるのは、体系的アプローチなのです。
PALSインストラクターとしての矜持と信念を込めた熱い体系的アプローチ
多くの小児科医はPALSを一度は受講するにも関わらず、救急外来以外でPALSを使っていません。
いや、救急外来ですらPALSを使わず、まずお母さんの話を聞くことからスタートしている小児科医がいます。
これは、よくない。
まずはPALS、まずは体系的アプローチ。
これが骨身に染みて、ようやく小児科医だと私は思うのです。
しかし、既存のマニュアルでは、PATの三角形がちょこっと書いてあるだけの本が多いです。
第一印象は大事ですが、それはPALSの入り口。
ここからがPALSの醍醐味なんです。
ファーストタッチのときも、PALSは消化不良に終わってしまいました。
だから、本書の「即戦力レジデント小児科」の企画をもらったときに、最初に思ったのが「PALSをいかに一般診療に組み込むか」でした。
本書では、3万字というボリュームを使って、冒頭に「体系的アプローチ」を熱く記載しました。
さらには、症候学、各論に進んでも、PALSの体系的アプローチがくどいほど登場します。
「まずは体系的アプローチ」という言葉が繰り返し出てきます。
PALSインストラクターとしての矜持と信念を込めて、「PALSをいかに一般診療に組み込むか」について書きつくしました。
PALSについて3万字も書くなんて、PALSプロバイダーマニュアルを除けば本書だけだと思うのです。
PALSは日本全国どこでも受講しやすい教育プログラムなので、PALS受講+本書で、本当に「即戦力レジデント」になれてしまう仕組みになっています。
日本初、小児科専門医試験に便利な症例要約サンプル
医師6年目で受験することになる小児科専門医試験。
受験するためには、30個の症例要約を書かなければなりません。
これ、書くの大変じゃないですか?
いや、大きな病院で同期も指導医もたくさんいて、わいわい相談しながら1年に10個ずつ書けば、そんなに大変ではないんですよ。
でも、小さな病院で、同期はおらず、指導医も医師20年目以上のベテランで、専門医試験のことなんてあまり覚えていない。
そんな環境で小児科専門医を目指しているレジデントだっているんです。
ちなみに、私はそんな感じでした。
そんなとき、「こんな感じで症例要約書いてるよ」ってアドバイスしてくれる人がいたら、どんなにか心強いだろうって思うのです。
そんな症例要約サンプル集があれば。
残念ながら、そんなのありません。
なかったので、作りました。
私だったら、こんな感じの症例要約を書きますっていうサンプルです。
症例要約リスト
- 肺炎(区分6)
 - 細気管支炎(区分6)
 - クループ症候群(区分6)
 - ノロウイルス胃腸炎(区分4)
 - ロタウイルス胃腸炎(区分4)
 - 細菌性腸炎(区分4)
 - 急性虫垂炎(区分2)
 - 腸重積症(区分2)
 - 周期性嘔吐症(区分2)
 - 肥厚性幽門狭窄症(区分2)
 - 起立性調節障害(区分7)
 - 川崎病(区分4)
 - IgA血管炎(区分4)
 - 熱性けいれん(区分10)
 - 脳炎・脳症(区分10)
 - 胃腸炎関連けいれん(区分10)
 - てんかん(区分10)
 - 片頭痛(区分10)
 - 尿路感染症(区分9)
 - 水腎症(区分9)
 - 膀胱尿管逆流現象(区分9)
 - 溶連菌感染後急性糸球体腎炎(区分9)
 - ネフローゼ(区分9)
 - 溶血性尿毒症症候群(区分9)
 - 糖尿病(区分2)
 - 成長ホルモン分泌不全性低身長(区分3)
 - SGA性低身長(区分3)
 - 特発性低身長(区分3)
 - クレチン症(区分3)
 - 思春期早発症(区分3)
 - 肥満症(区分3)
 - 好中球減少症(区分8)
 - 免疫性血小板減少症(区分8)
 - アナフィラキシー(区分6)
 - 食物アレルギー(区分6)
 - 気管支喘息(区分6)
 - アトピー性皮膚炎(区分6)
 - アレルギー性鼻炎(区分6)
 
遺伝(区分1)と新生児(区分5)は本書で取り扱いませんでしたので、サンプルなしです。
逆に言えば、遺伝と新生児以外を網羅しています。
もう小児科専門医になっている先生や、小児科専門医にはならない内科や他職種の人にとっても、ケースレポートとして需要があると思います。
38個の症例要約に4万字を費やし、さすがに書籍内に入りませんでした。
無理やり本文に入れると、ポケットに入らないサイズになってしまいます。
やむをえず、書籍内にQRコードを載せましたので、スマホで読んでください。
UpToDateに対応した内容
本書では「UpToDate」という言葉が319回使われています。
診断、治療の流れが、できるだけ一般的になるように、本書の107項目すべてにおいて、該当するUpToDateを一度読んだうえで執筆しています。
UpToDateは、本邦のガイドラインと差異もありますので、すべてUpToDate通りとはしませんでした。
ですが、UpToDateをかなり意識した内容にしています。
これは単著による内容の偏りが生じないようにするための配慮です。
なお、私はネルソンも好きなのですが、本書では「ネルソン」という言葉は52回しか出てきませんでした。
さすがにネルソン対応とは言えない数字です。
ファーストタッチと同じ哲学で学べる
嬉しいことに、研修医の多くが小児科ファーストタッチを使ってくれています。
ただ、小児科ファーストタッチはあくまで初期研修医・総合診療医のための本です。
小児科専門医を目指すレジデントには、もの足りないところが多いでしょう。
次へのステップアップとして、本書をお勧めします。
書面は有限なので、ファーストタッチでは詳しく書いた「患者への説明」などが省略されましたが、逆に入院管理や、診断治療の流れなどは詳しくなりました。
重視している点が異なるので、ファーストタッチと即戦力レジデントは異なる内容になっています。
ですが、結局は著者が同じですので、小児診療に対する哲学は共通しています。
ファーストタッチで勉強した医師にとって、次のステップアップとしての即戦力レジデントは、親しみやすいと思うのではないのでしょうか。
まとめ:小児科最大のポケットマニュアル
一般小児科医として、すぐに役立つtipsを詰め込みました。
熱意はもちろん、情報量としても圧倒的です。
質もUpToDateを意識した、偏りのない内容となっています。
繰り返しますが、力作です。
						
								
								
								
								
	        		            
	        		            
	        		            
	        		            
	        		            
	        		            
	        		            
	        		            




