当サイトについて

このサイトの目的

ここは、小児科専門医がお父さん・お母さんに向けていろいろとアドバイスをするサイトです。
お父さん・お母さんに子どもの病気に対する知識をつけてもらって、子どもが病気になったときも「安心して子どもの病気に向き合えること」を目的に作っています。

このサイトの特徴:症例提示

「症例提示」という項目を、メインコンテンツとしています。
症例提示とは、子どもが体調不良になってから治るまでの経過を具体的に書くことです。

たとえば川崎病のことを知りたければ、今はgoogleで「川崎病」と検索すれば川崎病の知識はあっという間に手に入ります。
ですが、病気についての情報がただ羅列してあるだけのサイトが多く、具体性に欠ける情報が多いような気がします。

熱が出て、病院に行って、薬をもらって、でも治らなくて、また病院に行って、紹介状を書いてもらって……という具体的な経過を教えてくれるサイトがありません。

このサイトでは、できるだけ時系列に沿って、一つの病気がどのように経過していくのかを「症例提示」という方法で示します。

そして経過中にお父さん・お母さんが感じるであろう「不安」についてピックアップし、それを解説するようにします。

症例提示をより詳しく解説する9つの分類

「症例提示」はとても具体的で、時系列に沿っていて分かりやすいという特徴があります。
しかし、どうしても冗長な表現になってしまい、伝えられる情報が少なくなってしまいます。

その弱点を補うために、9つの分類を用意しました。
疾患知識予診診察手技検査診断説明投薬治療教育研究倫理法律雑記雑感の9項目です。

病気のことをさらに詳しく知りたいのであれば、疾患知識のカテゴリーが便利だと思います。
検査や投薬治療についてもコンテンツを充実させていきます。

一方で、予診、診察手技、診断説明、教育研究、倫理法律、雑感雑記については、お父さん・お母さんには直接関係ないかもしれません。
しかし、小児科医はこういう目線で物事を考えているんだということが分かると、小児科医とお父さん・お母さんはもっと親密になれるでしょう。

笑顔が好き。

小児科医の仕事は大変です。
早産児が生まれたときは、病院に3日間泊まり込みで働きました。
外来では風邪の患者さんをたくさん診て、自分自身がインフルエンザになってしまうこともありました。
子どもは夜に急変しやすいので、夜中に病院から呼び出しを受けることも多く、睡眠時間は削られ、へとへとになることもありました。

医者の不養生という言葉には2通りの解釈があります。
医者は他人を診ることはできるが自分自身の病気には気づかないという意味と、医者という職業は不健康な仕事なのだという意味があるようです。
疲弊しながら働いているという小児科医の現状は、まさに後者でしょう。
医者は長生きできないとつくづく思います。

身体的には苦しい小児科医ですが、精神的には充足しています。
特に子どもの笑顔を見たときには、心が愛・勇気・信頼・喜び・希望にあふれるのを感じます。
神谷美恵子は生きがいについて「使命感に生きている人」述べましたが、小児科医はまさに子どもの笑顔を生きがいとしているのでしょう。

長生きできないのに生きがいがあるというのはミゼラブルにも感じますが、ともあれそこに子どもの笑顔があると思えば、疲れは吹き飛び、気持ちよく明日も働けます。

そういう理由で、このサイトのタイトルを「笑顔が好き。」としました。

どうしてこのサイトを作ったのか

私は小児科医として働き、たくさんの子どもを診察するとともに、たくさんのお父さん・お母さんの不安や悩みに触れてきました。
「お父さん・お母さんが安心して子どもの病気に向き合える」ように、できるだけ丁寧なアドバイスを心がけてきました。

うまくアドバイスできることもあれば、一緒に悩んで一緒に考えていくこともあります。
どちらにせよ、1日に診察できる人数には限りがありますので、ゆっくりと説明することができずに歯がゆく思うことが多いです。

あるとき、ふと気づきました。
外来をしていると、よく聞かれる質問があるのです。
その質問に対するアドバイスをあらかじめ作っておけば、効率のよい診察ができるようになるのではないか。
もっとたくさんの患者さんに、もっと丁寧な診療ができるようになるのではないか。
「お父さん・お母さんが安心して子どもの病気に向き合える」ようになるのではないか。
そう思って、このサイトを作りました。

このサイトでは「お父さん・お母さんが安心して子どもの病気に向き合える」ように、できるだけ分かりやすい表現を心がけています。
「症例提示」による説明も、分かりやすさを考えてのことです。

このサイトによって、お父さん・お母さんの不安が軽くなり、安心して子どもの病気に向き合えるようになることを願っています。