熱性けいれんに関する部分だけを読みたい場合は、part2から読み始めてください。
このページの目次です。
インフルエンザの症例提示
高熱と咳と鼻水
みくちゃんは3歳の女の子です。
年末にインフルエンザの予防接種を予定していましたが、かぜをひいてしまい接種できませんでした。
今は2月。
みくちゃんの保育園ではインフルエンザが流行っています。
ある日の夜、みくちゃんは突然不機嫌になりました。
寝かそうとしても、嫌がってなかなか寝てくれません。
抱っこすると、体がすごく熱いのに気づきます。
熱を測ると、39.5℃でした。
そういえば、今朝から咳が多くて、鼻水も出ていました。
お母さんは心配になり、すぐに夜間応急診療所に連れていきました。
応急診療所を受診
応急診療所の先生は胸を聴診し、口の丁寧に診ました。
インフルエンザの綿棒を鼻にぐりぐりと入れられます。
のどの奥のこするのが大事だそうので、かなり奥深くまで綿棒が入ります。
溶連菌の綿棒は、口から入れていました。
ネルソン小児科学によると、「インフルエンザにはいくつかの顕著な特徴があるにも関わらず、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどと区別できないことが多い」とされます。ここで小児科医がアデノウイルスをチェックしなかったのは、まずは治療できる病気の鑑別を優先したからです。またRSウイルスは1歳以上には基本的に保険適応がありませんので、みくちゃんには検査できません。
最初の検査結果は陰性
待つこと20分。
インフルエンザと溶連菌の結果が出ました。
結果はどちらも陰性です。
応急診療所の先生にそう言われ、解熱薬を処方されました。
みくちゃんは不機嫌でしたが、解熱薬を使うと熱が37.8℃まで下がり、すやすやと眠りました。
翌朝近くの小児科へ
朝になって、みくちゃんの熱は39度です。
解熱薬の効果は切れてしまったようです。
りんごジュースは少し飲めましたが、朝ご飯は全然食べません。
指示された通り、近くの小児科を受診しました。
2回目の結果は陽性!
待つこと20分。
インフルエンザの検査結果は陽性でした。
インフルエンザの薬?
それってまさかタミフル?
タミフルと聞くと異常行動で危険といううわさを聞いたことがあります。
タミフルは危険な薬?
みくちゃんのお母さんはあわてて先生に相談しました。
先生の返答に、みくちゃんのお母さんはタミフルの異常行動についての不安を質問しました。
それを聞いたみくちゃんのお母さんは不安になりました。
小児科の先生は落ち着いてこう答えました。
先生の話を聞いて、少し不安が楽になりました。
先生の説明に、みくちゃんのお母さんは納得しました。
症例のまとめ
- 高熱、咳、鼻水ですぐに受診したが、最初の検査はインフルエンザ陰性だった。
- 12時間経過して、再度検査するとインフルエンザ陽性だった。
- インフルエンザの治療薬には内服薬のタミフル、吸入薬のリレンザ・イナビル、点滴薬のラピアクタがある。
- 抗インフルエンザ薬で異常行動が増えてるかどうかは明らかにされていない。
- 3歳のみくちゃんにはタミフルが推奨される。
次回予告
このあと、タミフルの処方箋が渡され、薬局で薬をもらうのですが……。
みくちゃんは薬局でけいれんを起こしてしまいます。