おしゃぶりと指しゃぶり。
子育てをしていれば無縁ではいられないこのテーマですが、絶対的な指針はありません。
保健師の先生、歯科医の先生、そして小児科医が様々な説明をしています。
この記事も「私はこんな指導をしている」という一例です。
今回は、おしゃぶりと指しゃぶりをいつやめるべきか書きます。
指しゃぶりをやめる時期
指しゃぶりは生後3カ月頃からみられます。
1-2歳になると、生活動作や遊びなどで手を使う頻度が増えてくるのにしたがって、日中の指しゃぶりは減ってきます。
何もすることがないとき、寝る前などに一時的な指しゃぶりをする程度となります。
多くの子どもが3歳になるまでに指しゃぶりをやめます。
いっぽうで、3歳以降の指しゃぶりは歯並びに悪い影響があります。
指しゃぶりは3歳になればやめたいところです。
おしゃぶりをやめる時期
歯並びを考えると、おしゃぶりは使わないほうがよいです。
しかし、核家族化に伴って、赤ちゃんをあやしてくれるおばあちゃんやおじいちゃんの力が借りられず、育児はパパママにとって大変なものになってきています。
子どもの機嫌をとったり、夜寝かせたりするのに、おしゃぶりは便利です。
現代社会においては、おしゃぶりを適切に使うという柔軟な対応が必要でしょう。
たとえば、2歳以上でおしゃぶりを使用していると歯並びに明らかに悪い影響が出ます。
2歳になるまでにやめるのが良いでしょう。
また、おしゃぶりの形は円筒型より楕円型のほうが歯並びへの悪影響が少なかったという報告もあります。
指しゃぶり・おしゃぶりのやめ方
「こうすれば絶対に治る」というわけではありません、とあらかじめ前置きします。
寝るときに多いなら、パパママと手をつないで寝ると子どもは安心して眠れる場合があります。
日中に多い場合は、ブロック遊びのような両手を使う遊びを積極的に取り入れることで指しゃぶりの回数が減ることがあります。
トイレトレーニングの要領で、指しゃぶりをしなかったらご褒美シールをカレンダーに貼っていく行動療法が有効な場合もあります。
指しゃぶりに関する免疫学的研究
最後に、豆知識的な内容です。
指しゃぶりは、ハウスダスト・ダニに対するアレルギーを予防するかもしれないという報告があります。
爪の隙間に入り込んだホコリを食べることで、免疫寛容が進むのかもしれません。
逆に、指しゃぶりによってクローン病が増えたという報告もあります。
しかし、前者の論文は感作を減らしただけですし、後者の論文は仮説とは真逆の結果になっています。
指しゃぶりに免疫学的研究という、変わった研究をしている人たちもいるのだなというくらいにお考え下さい。
歯並びへの影響を考えると、免疫学的なメリットもデメリットも大きくありません。
おしゃぶりは2歳になるまでにやめ、指しゃぶりは3歳になっても続く場合は卒業に向けた練習を徐々にしていきましょう。