子どもの服薬指導。「薬が飲めない」と言われたら。

今回は、服薬困難に関する質問です。

10歳男児。インフルエンザに対し、吸入薬はうまく吸えず、粉薬は飲めないとのことでした。
しかし、ゾフルーザに関してはウイルス耐性の問題があるため、どの薬剤にするか選択に苦慮しました。
先生はどのように決められていますか?

ゾフルーザが考慮に挙がるということは、錠剤であれば飲めるということでしょうか。
10歳児は約37kgですから、オセルタミビル(タミフル)をカプセルで処方することも可能です。

ゾフルーザは使わない、と以前書きました。
カプセルが飲めるなら、オセルタミビル(タミフル)を使ってください。

小児科医から見たゾフルーザの注意点。

2020年3月29日

いっぽう、体重が30kg程度であればカプセルでは量が多いでしょう。
カプセル以外の剤形を選ばなければなりません。

でも、吸入薬も内服薬も苦手。
服薬困難。
服薬拒否。
どうすればいいでしょうか。

今回は、子どもの服薬困難について書きます。

薬剤師の先生に服薬指導をお願いする

もっとも適切なのは、薬剤師の先生に服薬指導を依頼することです。
薬の専門家が、薬の特性に合わせた指導をしてくれます。


この乳幼児・小児服薬介助ハンドブックを読めば、薬剤師の先生方の服薬指導のバリエーションの広さ、発想力の高さに気づくはずです。

実はこの本、こっそり書評を書かせて頂いています。
こちらから読めますので、お時間あれば(書評は下の方です)。

自分で指導するなら:とにかくいろいろやってみる

薬剤師の先生も忙しいですので、なかなか服薬指導をお願いできない場合もありますよね。
そんなときは、自分であれこれやってみるしかありません。

ペラミビル(ラピアクタ)点滴や、タミフル懸濁液の胃管注入という超絶侵襲的方法もないわけではありませんが、吸入も内服も苦手な10歳男の子が静脈路確保や胃管挿入が得意ということは絶対にないでしょう。

個人的には「吸入ができる」、「粉薬が飲める」という児本人の成長を促してあげたいです。

ラニナミビル(イナビル)には練習用の吸入笛があります。
音が鳴るので子どもも喜んで練習します。
5回くらい成功すれば、実薬でも成功します。

オセルタミビル(タミフル)は苦みがあるので、チョコレートアイスやココアとの相性がいいです。
もしチョコレートアイスが好きなら、この方法で飲めるかもしれません。

あと、抗インフルエンザ薬は基礎疾患のない児には不要だという考え方もあります。
水分と休養をしっかりとることを薦めるという手もあります。
トローチ処方は咽頭痛に有効かもしれません。

インフルエンザは「絶対に薬を飲まなければならない!」という疾患ではありません。
だからこそ、服薬指導の良いチャンスです。

とにかくいろいろやってみる、というのが内服拒否例における私の基本スタンスです。

「薬が飲めない」と言われたら

子どもは薬を拒否することがあります。
そういうときは、いろいろやってみましょう。

いろいろやって、もしうまくいって、子どもが自信をつけてくれたら。
今後別の病気になったときも、治療しやすくなります。

ABOUTこの記事をかいた人

小児科専門医、臨床研修指導医、日本周産期新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命法インストラクター、神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野に入局。現在、おかもと小児科・アレルギー科院長。専門はアレルギー疾患だが、新生児から思春期の心まで幅広く診療している。