初期研修医・総合診療医のための小児科ファーストタッチ2018。

本を出版しました。

これから小児科を研修する先生にぜひ学んで欲しいことを1冊にまとめています。
これは兵庫県立柏原病院の研修医ミーティングで、実際の初期研修医から「こんな小児科研修をしたい」という要望に答えるために、卒後10年目の小児科専門医が書いた本です。

今回は、本を書いた経緯を書きます。

スマホで調べ物

研修医の先生はカンファレンス中によくスマートフォンやタブレットで調べものをします。
私はカンファレンス中にスマホで調べる行為を歓迎しています。
逆に分からないことを分からないままぼーっと過ごすことを歓迎しません。

「上司が話をしているときは目を見て聞け」とか「会議中にはスマホをしまえ」と言われても、屈してはいけない。それでクビにされるような会社だったら早く辞めたほうがいい。大事な会議で、あえてスマホをいじる勇気をもってほしい。

堀江 貴文 多動力

勉強の仕方もカンファレンスの方法も、時代とともに変わっています。
今は読みたい論文があればMendeleyに保存しておいて、移動中にスマートフォンで読める時代です。

ただ、変わっていない点もあります。
分からないことがあれば調べるのが医者だ、ということです。
それは今も昔も変わっていません。
調べ方が変わっただけです。

「カンファレンス中に調べものをするな」という意見もあるかもしれません。
ですが、個人的に「あとで調べよう」というのは歓迎できません。
絶対に忘れます。
研修医は忙しく、ゆっくり調べものをできる時間は多くありません。
夜遅くになってようやく時間ができても、午前中のカンファレンスの疑問は覚えていないでしょう。

さらに加えるなら、電子データはかさばらず、検索機能も優秀です。
以上のような理由で、私はスマホ世代を歓迎しています。

amazon kindleはスマホで読むことができるので、以前から興味を持っていました。

初期研修医

もうすぐ初期研修医を終える卒後2年目の医師が私に言いました。

「4月から務める病院は、夜間の小児は内科が診るんです。小児救急について教えてください」

また、小児科研修を終えたばかりの初期研修医は、当院の研修医ミーティングでこう言いました。

「病棟管理よりも、小児科外来で初診を任せてもらえたほうが楽しかったです」

彼らは将来、小児科医になるわけではありません。
彼らは内科医、外科医、救急医、総合診療医を目指しています。
ですが、少しくらいは子どもも診られるようになりたいと考えています。

詳しくはここに書きました。

小児科医になりたいわけではない初期研修医の小児科研修。

2018.03.05

彼らの「子どものファーストタッチくらいはできるようになりたい」という気持ちに応えるリソースを用意しなければなりません。

総合診療専門医

総合診療医を目指す先生は、小児科を3か月研修します。
当院にも内科の先生が総合診療専門医を目指して、小児科を研修しています。

このとき、困っていることがあります。
総合診療専門医を目指す内科の先生に適した小児科の本がないのです。

小児科の本は、小児科医が読むことを前提に書かれています。
希少な疾患や入院治療に重点が置かれ、内容が高度すぎます。

総合診療専門医を目指す医師が、有意義な小児科研修を送るためのリソースを用意しなければなりません。

本を書いてみた

amazon kindleに興味があったこと、初期研修医と総合診療医に向けたリソースが必要だったことから、本を書いてみました。

原稿を書くのは大変でした。
原稿の大元は、私が初期研修医に指導していた内容をそのまま流用しています。
ですがそれだけでは足らず、普段私が子どもを診療しているときの思考プロセスを言語化するという作業を繰り返しました。

外来診療は莫大な思考を一瞬のうちに張り巡らしています。
発熱の子どもを診るだけでも、生後2か月、生後5か月、生後10か月、1歳半で思考プロセスが違います。
これは、思考プロセスを言語化して初めて分かりました。
本を書くという作業を通して、私の診療知識も整頓されました。

ただ、原稿さえ書き終われば、そこから出版までは数時間でした。
amazon kindleでスムーズに動くように、目次設定をするのが面倒でしたが、それすらも数十分の作業でした。

amazon kindleって便利、という感想です。

ちなみに出版した直後に実際使ってみると、目次にナンバーを振った方が使いやすいことに気づき、すぐに修正しました。
4時間後には修正が反映されていました。
すぐに修正できるのも、電子媒体のメリットです。

まとめ

当院の初期研修医の先生、総合診療医の先生は非常に熱心です。
彼らは小児科医にならないのに、真剣に小児科を研修してくれます。

その熱意に応えるため、彼らにぜひ教えたいことを一冊にまとめました。

臨床研修指導医として、さらに良い教育を目指していきます。

「教育は人のためではない。回り回って自分のためである」