「コロワくん」が予想以上に使いやすかったという話。

AERA dot.様に、子どもの新型コロナワクチンについての記事を載せて頂きました。
この記事は、アメリカ小児科学会の見解を参考に、日本の状況を勘案して書きました。

2021年2月から医療従事者が、そして4月から高齢者が接種開始した新型コロナウイルスワクチン。
子どもが接種開始となるタイミングはまだまだ先です。

ですが、小児科医としてその展望や意義については、前もって考えておくべきだと思うし、また現時点での状況についても分かりやすく伝えるべきだと思って、取材を受けました。
上記の記事は、ダイアモンド・オンライン様にも掲載されるということです。

さて、新型コロナウイルスワクチンについて調べている中で、「コロワくん」という興味深いLINEボットを知りました。
今回は、「コロワくん」について、使ってみた印象を書きます。

LINEのボットは思った以上に使いやすかった

ボットというのは、インターネット上で自動化されたタスクを実行するアプリケーションソフトウェアのことを指します。
簡単にいうと、ロボットを相手に会話する感じです。

「Twitterのボットは知っているけれど、LINEのボットは初めて!」

ということで、さっそく登録してみました。

感想は……思った以上に使いやすい。

基本的に、質問を選ぶ形式なので、フリーワード形式のボットによくある「質問の意味が分かりません。別の質問をしてください」みたいなやりとりがありません。
選んだ質問は即座に回答されますし、次々と質問を重ねることもできるので、Webサイトでクリックするよりも圧倒的にストレスフリーでした。

コロワくんを実際に使ってみた

コロワくんは、コロワくんサポーターズサイトからをLINE登録できます。

コロワくんの使用感は、動画で見たほうが分かりやすいと思います。
あまねくらぶのアマネちゃんが、コロワくんを使っている様子を動画にしているので、そちらを参照ください。

アマネちゃんも言っていますが、ワクチンを知れば、ワクチンに対する不安が軽くなります。

コロワくんサポーターズ代表の山田先生も暖かい言葉を頂けました。

なお、あまねくらぶをチャンネル登録してくれたり、グッドボタンを押してくれたりすると、アマネちゃんが喜びます。

小児科医から見た新型コロナウイルスワクチン

日本では10歳未満の小児の約1万人、10歳代の小児の約2万人が新型コロナに感染しましたが、亡くなられた子どもの報告がありません(2021年2月23日時点)。
子どもが高齢者に比べて重症化しにくいのは間違いありません。

ただそれは、子どもにワクチンは不要という結論には繋がりません。
6歳以上の子どもでは“多系統炎症性症候群(MIS-C)”という全身性の炎症が起きることがまれにありますので、心配がないとは言えません。
また、ダウン症候群、脳性麻痺、免疫不全状態、慢性肺疾患、慢性心疾患、気管切開を受けている子どもなどは重症化リスクが高いと報告されています。
Should children be vaccinated against COVID-19 now? Arch Dis Child. 2021; archdischild-2020-321225.

また、リスクがない子どもであっても、集団免疫という観点から接種が必要となるかもしれません。
これは風疹の予防接種の考え方と同じです。
子どもが風疹にかかっても三日ばしかと呼ばれているくらいで多くが重症化しませんが、妊婦さんがかかると胎児の成育に影響が出る可能性があります。
子どもが媒介となって妊婦さんにうつさないために風疹の予防接種をするわけです。

子どもがコロナにかかっても無症状という場合も多いので、子どもが媒介とならないためにも、また、社会からコロナウイルスを根絶させるとなると、リスクが低い幼児にもワクチン接種が必要になります。

ただ、子どもにワクチンの順番が回ってくるのは、まだまだ先の話でしょう。
今できることは、接種ができる人は、自分の順番が来たらぜひ受けて欲しいということです。

まとめ

ワクチンを知れば、ワクチンに対する不安が軽くなります。
「コロワくん」は、新型コロナウイルスワクチンを正しく知るための、便利なツールです。
ぜひ、使ってみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

小児科専門医、臨床研修指導医、日本周産期新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命法インストラクター、神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野に入局。現在、おかもと小児科・アレルギー科院長。専門はアレルギー疾患だが、新生児から思春期の心まで幅広く診療している。