最大多数の最大幸福。
個人の生活の目標は「幸福になること」である。
社会とは個人の機械的総和であり、社会の幸福とは個人の最大多数が幸福になることである。J.ベンサム
『道徳および立法の諸原理序説(1789)』
ブログの価値とは、その「質」で決まることは言うまでもありませんが、質と言うのはなかなか評価が難しいです。
その点、閲覧数という「量」は評価しやすいです。
3か月ぶりに、よく読まれた記事を見返してみます。
このページの目次です。
- 1 ブログ開始から6か月間の閲覧者の推移
- 2 第10位:IgA血管炎とは?ガイドラインに基づく診断基準・原因・治療。
- 3 第9位:エムラクリームの使い方。実際に効果を確かめてみた。
- 4 第8位:川崎病の再燃に関する5つの疑問。
- 5 第7位:予防接種後に発熱しやすいワクチンと時期について。
- 6 第6位:小児の頭部外傷の指標。PECARNとCATCHとCHALICEのまとめ。
- 7 第5位:小児の急性糸球体腎炎の症状・検査・治療。
- 8 第4位:乳児ボツリヌス症による初めての死亡報告で考えるべきこと。
- 9 第3位:2017年の手足口病の症状を原因ウイルスから予測。
- 10 第2位:ヒトメタニューモウイルスの重症化因子と臨床的特徴。
- 11 第1位:子供の咳止めとコデイン禁忌。小児科医が市販薬を考える。
- 12 急上昇ランキング
- 13 まとめ
ブログ開始から6か月間の閲覧者の推移
2017年1月から開始したこのブログ。
最初の1か月は1日平均50PV(page view:総閲覧数)でした。
2月は1日平均100PVでした。
そして3月は1日平均200PVでした。
4月、5月、6月はどうなったでしょうか。
4月は1日平均500PV、5月は1日平均600PV、6月は1日平均800PVでした。
全体的には上昇傾向です。
ですが個別で見てみると、とても読まれる記事と、あまり読まれない記事があります。
次に個別に見ていきます。
第10位:IgA血管炎とは?ガイドラインに基づく診断基準・原因・治療。
実はIgA血管炎にもガイドラインがあるんだということだけを伝えたい記事です。
川崎病で冠動脈瘤を防ぐ方法にみんなが関心を持っているのと同様に、IgA血管炎でも腎症を減らすことができる方法が見つかることを期待しています。
第9位:エムラクリームの使い方。実際に効果を確かめてみた。
あれから「髄液検査のときに使ってみるのはどうか」とか、「予定の採血のときは使ってみてはどうか」など意見は出ているものの、採用には至りません。
日常診療が忙しいという背景が、エムラクリームの導入を難しくさせているように思います。
第8位:川崎病の再燃に関する5つの疑問。
川崎病関連の記事は今まで4つ書いてきましたが、どれもよく読まれています。
川崎病には「調べてみよう」と思わせる何かを感じさせます。
第7位:予防接種後に発熱しやすいワクチンと時期について。
「予防接種を子どもに打たせない」という主義・主張を持った人と対面する機会は、小児科医を続けていく中で必ず遭遇します。
googleなどで検索して頂くと、予防接種に否定的な意見を見つけることは容易いです。
この主義・主張が生じるのは、予防接種に対する親御さんの関心の高さの裏返しだと思います。
関心が高いから、メリットとデメリットの両方が気になるのです。
私を含め多くの小児科医は「予防接種のメリットはデメリットを上回る」と考えているはずですが、それは「デメリットは無視できる」という意味ではありません。
もし小児科医の意見と親の意見が異なったとしても、子どもを心配しているという点で、親と小児科医は同じ目的を持った仲間です。
小児科医は、予防接種に関するメリット・デメリットを熟知した上で、お父さん・お母さんの不安に向き合わなければなりません。
予防接種に対する親の関心は非常に高く、予防接種に関する知識はいくらあっても十分すぎるということはないでしょう。
発熱の確率、時期についても、しっかり答えられるようになっておかなければなりません。
第6位:小児の頭部外傷の指標。PECARNとCATCHとCHALICEのまとめ。
救急外来で頭部外傷を診るとき、この記事を読み返してから診療しています。
2歳未満PECARNでは、頭皮の血腫がある例をよくみますが、頭部CTを撮っても幸いなことに外傷性脳損傷を見つけられません。
2歳未満で頭皮に血腫がある場合の検査前確率はどれくらいなのでしょうね。
感度や陰性的中率については記事に書きましたが、特異度や陽性的中率については書かなかったなと反省しています。
第5位:小児の急性糸球体腎炎の症状・検査・治療。
明石医療センターで吉川先生に教わったことの一つが急性糸球体腎炎です。
あまり頻度は多くない疾患ではありますが、自信をもって診ることができます。
(といっても、高血圧を制御できない例は不安になりますが)
第4位:乳児ボツリヌス症による初めての死亡報告で考えるべきこと。
マスコミによる過熱報道を見て「もう少し落ち着いて考えてみませんか」というつもりで書きました。
第3位:2017年の手足口病の症状を原因ウイルスから予測。
ヘルパンギーナの記事は伸びなかったのですが、手足口病の記事は伸びました。
タイトルが秀逸だったかな、と個人的に思っています。
第2位:ヒトメタニューモウイルスの重症化因子と臨床的特徴。
ヒトメタニューモウイルスに関する知識は意外に少ないです。
歴史が浅い疾患だからでしょう。
そのため、記事がとても書きにくかったです。
記事を書いた4月にヒトメタニューモウイルスが流行したこともあって、閲覧数は伸びました。
第1位:子供の咳止めとコデイン禁忌。小児科医が市販薬を考える。
2位以下とは倍以上の差をつけました。
圧倒的に読まれた記事です。
ボツリヌスのときもそうですが、基本的にニュースに関する記事は「ちょっと落ち着きましょうよ」という気持ちで書いています。
テレビやネットの報道はどうしても加熱方向なので、私はできれば冷却させる方向で記事を提供できたらいいなと思っています。
急上昇ランキング
書いたときはそれほどでもなかったけど、最近やたら読まれるようになった記事を5つ紹介します。
食中毒で最多!カンピロバクター腸炎の抗生剤治療と保健所への届出。
学校の心臓健診でQT延長と言われたときに最初にする3つの確認。
1月に書いたときは1日数回しか読まれなかった記事が、最近は1日数十回、毎日読まれているのは素直に嬉しいです。
まとめ
ブログを続けていれば、閲覧数は増えます。
教科書的なことをまとめただけの記事よりも、そこに文献的な考察や、自験例を加えて書くと閲覧数が伸びます。
そういう記事は、書いている私自身が医者として成長するので、自分にとって役立つ記事を書けば、自然とよく読まれるという図式が出来上がります。
過去の記事のまとめ以下です。