2019年の抱負。丹波医療センターに向けて。

KID先生、ほむほむ先生が今年の抱負を述べておられましたので、便乗して私も抱負を書きます。

このブログで抱負を公開するのは初めてですが、実は毎年抱負を立てています。
基本的に、3年後くらいまでの抱負を立てるようにしています。
そして1年に1回、修正する感じです。

それでは、今年の抱負および、2019年・2020年の計画を書きます。

5年前の抱負

2014年1月、私は病院の理事長に一つの抱負を宣言していました。

  • 2014年、NICUを設立する
  • 2015年、新生児搬送とNCPRを中心に、周産期センターとしての中核を担う
  • 2016年、論文を書く

この抱負を伝えると理事長は「若くて元気があってよろしい」と笑っていました。

実際、周囲の人に恵まれて、この3年計画は上手く行きました。
上手く行ったので、「願えば夢は叶うんだ」と思いました。

計画変更が必要となった3年前

私は、このまま臨床と研究を続けていくのだろうと思っていました。
研究に理解のある上司が私を支えてくれていたからです。

ですが2017年、私は地域医療に従事することが決まりました。
丹波市の柏原病院小児科という、一度は存続さえ危惧された場所です。

兵庫県立柏原病院について、詳しくここに書きました。

兵庫県立柏原病院の魅力。小児科の地域医療を考える。

2017.04.30

異動の命を受け、私は2017年以降の計画を変更しました。

  • 2017年、ブログを立ち上げ、月間3万PVを目指す
  • 2018年、本を出す
  • 2019年、ランダム化比較試験の論文を書く

ブログを立ち上げた経緯

ブログを立ち上げた理由はいくつかあります。
2017年は、ちょうどWELQ問題(肩こりは幽霊によるという医療記事)が有名となり、It mamaというサイトも「インフルエンザワクチンには卵の成分が入ってるので、血液検査で卵アレルギーかどうかを調べてから接種するといいですね!」みたいな記事があって、「これは困った」と思っていました。
つまり、医療情報サイトにいかがわしさが溢れた時期でした。

できるだけ正しい情報を伝えなければ、という思いがあったことは事実です。

いっぽうで、地域医療の先生からアドバイスがあったから、というのもあります。
それは2008年、まだ学生だった頃、奈良県の月ヶ瀬村(当時はすでに奈良市と合併していましたが)という人口1800人ほどの村に地域医療の見学に行った時のことです。
その村では、たった一人の医師が、子どもから大人まですべての病気を診ていました。

赤ちゃんの予防接種、健康診断も当然ですし、お年寄りには往診で対応していました。
トラクターが横転して下敷きになった人に対して、小さな手術もしていました。
変形性膝関節症の膝関節水腫を注射器で穿刺吸引していました。

この「何でもできる総合診療医」は、私に「地域医療こそ、インターネットだ。パソコン一つでどんな論文だって読める。そして地域の魅力を発信できる」と教えてくれました。

私の中で、「もし地域で働くことになったら、医療系ブログを始めよう」という思いが芽生えました。
(ちなみに私は16歳のときから非医療系ブログをしているので、ブログ歴だけで言うと20年以上しています。当時はブログというより、ホームページ+掲示板でしたが)

あれから9年、2017年に私は兵庫県立柏原病院に異動が命じられ、地域医療をすることになりました。

田舎の病院でも、医者は医者らしく働けることをいろんな人に知ってもらいたい。
そう思って、ブログ立ち上げを2017年の目標にしました。

「本を出す」と「ランダム化比較試験」

2018年の「本を出す」というのは、2016年の指導医講習会での影響が大きかったです。
ブログが軌道に乗れば、その延長線上に出版があると思っていました。
できれば、柏原病院で働きたいと思ってくれる医師や看護師が増えてくれるような本を書きたいと思いました。

2019年の「ランダム化比較試験」は、2017年1月時点で、私はランダム化比較試験のプロトコールを書いていたからです。
その研究はリクルートに1年、その後8か月のフォローが必要でしたので、2019年には論文が出せると思っていました。
地域医療に行っても、研究自体は都会でなんとか続けられないかと思ったのです。

2019年1月になってあらためて抱負

2017年の目標は成し遂げられました。
2018年の目標は間に合いませんでしたが、一応今年の3月末に出版はできます。

ですが、去年のうちから修正してはいましたが、やはりランダム化比較試験は無理です。
日々は忙しく、とても都会の病院まで通うことができません。

そこで、2019年以降の目標をあらためて書きます。

2019年の目標は、食物経口負荷試験200件です。
丹波市は年間400人しか子どもが生まれない小さな市ですので、年間200件は大きな数字です。
ただ、去年は隣の市からも負荷試験を受けに訪れた患者さんがいます。

近隣の篠山市、福知山市、西脇市、三田市、朝来市の人たちにもできるだけ正確なアレルギー医療を提供できるようになりたいと思っています。

2020年は、病児保育のできる保育所を作りたいです。
地方の病院は人不足です。
子育てを応援し、働きやすい環境を整えることで、人不足を解消に繋げられないか、考えています。
小児科医にできることは、病児保育だと思っています。
ただ、これを実現するには、何が必要で何が足りないのかを知らないので、情報収集が必要です。

人手が整えば、2021年に満を持して、NICU設立を目指したいです。
丹波市で生まれる赤ちゃんに最大級の安全を提供するために、NICUは必要だと思っています。

まとめ

2018年の目標だった「本を出す」は、2019年3月末に延期されました。
2019年の目標だった「ランダム化比較試験」は難しく、計画を修正しました。

  • 2019年、食物経口負荷試験200件
  • 2020年、病児保育のできる保育所の設立
  • 2021年、NICUの設立

2019年7月、兵庫県立柏原病院は丹波医療センターとして生まれ変わります。
上記3つが実現できれば、丹波医療センター小児科は地域の中核病院として、その使命を大いに果たすと信じています。

ABOUTこの記事をかいた人

小児科専門医、臨床研修指導医、日本周産期新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命法インストラクター、アメリカ心臓協会PEARSインストラクター。神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野に入局。現在、兵庫県立柏原病院小児科医長。専門はアレルギー疾患だが、新生児から思春期の心まで幅広く診療している。