デジタルを活用して、医療情報にアクセスしやすくなることは、間違いなく医療の質を高めると思います。
いわゆる「医療DX」です。
電子処方箋もまた、医療DXの要素の1つです。
おかもと小児科・アレルギー科も、2024年9月に電子処方箋を導入しました。
今回は、電子処方箋について2024年9月時点で思うことを書きます。
従来の紙処方箋
従来の紙処方箋は、こんな感じです。
これを薬局に持っていき、お薬と引き換えてもらいます。
この処方箋をスマホのカメラで撮影して、薬局のアプリで事前に送っておくと、スムーズにお薬がもらえます。
当然ですが、処方箋原本は必ず薬局に持っていきましょう。
写真データを送っておけば大丈夫というわけではありません。
紙の処方箋は、原本がなければお薬を処方してもらうことができません。
電子処方箋
電子処方箋では、控えが渡されます。
これは紙で渡される場合もあれば、画像データで渡される場合もあります。
薬局に行き、お薬を受け取ります。
このとき必要なのは、次のどれかです。
- 処方内容(控え)の紙または画像データ
- 6桁の引換番号
- マイナ保険証
処方内容(控え)の紙または画像データは、結局「6桁の引換番号」を確認しているのすぎません。
つまり、6桁の引換番号か、マイナ保険証、どちらかがあれば、薬局お薬を作ってもらうことができます。
薬局のアプリで事前に情報を送って、お薬を作っておいてもらうこともできます。
このときは、6桁の引換番号が活躍するでしょう。
電子処方箋のメリット
紙の処方箋でも、電子処方箋でも、患者様からみると「ほとんど同じ」に感じるかもしれません。
実際のところ「ほとんど同じ」です。
薬ができるのを薬局で待つ派の場合は、次の2択です。
- 紙の処方箋を薬局に持っていき、薬が出来上がるのを待つ。
- 薬局でマイナ保険証を使う、または6桁の数字を伝え、薬が出来上がるのを待つ。
事前に薬局に薬を作っておいてもらう派の場合は、次の2択です。
- 紙の処方箋を写真に撮って、薬局に画像データを送り、先に薬を作っておいてもらう。
- 電子処方箋の6桁の数字を薬局に送り、先に薬を作っておいてもらう。
紙も電子も大差がありません。
それでも、少しだけ電子処方箋のメリットがあります。
- 紙の処方箋は、原本をなくしてしまうと薬がもらえない。
- 電子処方箋は、オンライン診療と相性がいい。
- 電子処方箋は、amazonファーマシーが使える。
特に、オンライン診療との相性は、かなり良いです。
オンライン診療では、紙の処方箋をすぐにもらうことができません。
しかし、電子処方箋なら大丈夫です。
6桁の数字を送ってもらうことができます。
この6桁の数字さえあれば、電子処方箋対応の薬局であれば、どこでも利用可能です。
電子処方箋のデメリット
電子処方箋のデメリットは、「まだ電子処方箋に対応していない薬局がある」ことに尽きます。
ふだん利用している薬局が電子処方箋に対応していない…。
これでは、電子処方箋は使えません。
2024年9月時点では、当院の近辺では、イオン薬局、ウエルシア薬局、平野薬局、そうごう薬局が電子処方箋に対応しています。
最新の電子処方箋対応薬局・医療機関は、厚生労働省のお知らせで確認できます。
電子処方箋に対応する薬局は今後増えてくるでしょう。
まとめ
- 電子処方箋は、紙の処方箋とはほとんど変わらない
- メリットは、オンライン診療との相性がいいこと
- デメリットは、電子処方箋が使えない薬局があること