「研修医・若手医師のための外来必携」の感想。

田舎の病院あるある、なのですが。
小児科医だからといって、子どもだけを診ているわけではありません。

私は夜間当直時は、大人も診ていました。
自宅で転倒して歩けなくなった年配の人とかも、とりあえず診ていました。
すぐに整形外科の先生に相談するんですけどね。

小児科以外の勉強もしっかりやっておかないと。
というわけで、今回紹介するのは、内科の本です。

「研修医・若手医師のための外来必携」を読みましたので、感想を書きます。

研修医・若手医師のための外来必携

贅沢な本だなあ、と感じました。

内科外来で遭遇しやすい「主訴」に対して、どのようにアプローチするかが「きわめて具体的に」書かれています。
指導医と研修医の対話形式だからこそ、この分かりやすさが実現されています。
初学者にとって、優しい作りです。
本当に分かりやすい。

一般的に、対話形式は冗長となり、内容が薄くなります。
それを補うのが「もうひと頑張りの自習部屋」です。
簡潔に、エッセンスをまとめていて、診療に必要な知識をぎゅっと圧縮して頭の中に入れることができます。

「あれかこれか」になりがちな医学教育において、本書は「あれもこれも」を実現できています。
具体的で分かりやすいのに、冗長ではなく、凝縮されたエッセンスが頭に入ります。
なんて贅沢な一冊なんだろうと思いました。
ちなみに、フルカラーなのも贅沢です。

さらにはポケットサイズなので、読む場所すら選びません。
検査待ちの時間、カンファレンスが始まるまでの時間、そういうスキマを見つけては、この本を読むことができます。
私も常にポケットに入れて、スキマができたときに読んでいます。
そのせいで、すでに表紙がヨレヨレしてきてしまいました。
アイキャッチ画像に証拠を残します。
私が必携していることが伝わるはずです。

溢れる読者ファースト感に、一切のスキがありません。
1年目研修医のできるだけ早い時期に、ぜひ読んで欲しいです。
この本を一通り読むことで、質の高い研修医生活を送れることでしょう。

ABOUTこの記事をかいた人

小児科専門医、臨床研修指導医、日本周産期新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命法インストラクター、神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野に入局。現在、おかもと小児科・アレルギー科院長。専門はアレルギー疾患だが、新生児から思春期の心まで幅広く診療している。