O脚・X脚の対応を小児科医目線で考える。

1歳6か月健診をしていると、O脚の子どもをよく見かけます。
O脚とは、足首をそろえて立ったとき、両膝が外側に膨らんで、膝のあいだが開いてしまうことをいいます。

いっぽうで3歳健診をしているとX脚の子どもを時々見ます。
X脚とは、膝をあわせて立ったとき、両膝が内側にくっついて、足首のあいだがひらいてしまうことをいいます。

O脚やX脚を見つけたとき、私がお母さんにするアドバイスは、次の2つのどちらかになります。

  • 「少しだけO脚(またはX脚)がありますが、問題ない範囲だから安心して下さい」
  • 「O脚(またはX脚)が気になります。整形外科を紹介しますね」

小児科医はどういう基準でアドバイスをしているのでしょうか。
今回はO脚・X脚について小児科医がどのように考えているかを書きます。

生理的なO脚・X脚

小児科医がO脚やX脚を見つけたとき、それが生理的なものか、病的なものかを考えます。
生理的なもの、というのは自然な変化であり、正常であるという意味です。

子どもは歩き始めてから2歳ごろまでO脚であることが多いです。
そして3歳ごろから7歳ごろまでX脚になります。
これらのO脚・X脚は生理的なものであり、治療をすることなく自然に治ります。
心配いりません。

病的なO脚・X脚

では病的なO脚・X脚とはどういうものでしょうか。

たとえば3歳や4歳になってもO脚である場合は病的であるかもしれません。
また2歳以下のX脚も病的であるかもしれません。
足の形態(医療用語ではアライメントといいます)が標準偏差を超えて変形している場合も病的と考えます。

お母さんに伝えたい子どもの病気ホームケアガイド第4版には、O脚なら足首をそろえて立ったとき、両膝のあいだにおとなの指が3本以上(約5cm)入るときや、X脚なら膝をそろえて立ったとき、足首のあいだにおとなの指が4本以上(約7cm)入るときに、病的なものかもしれないと記載されています。
とても分かりやすい基準です。

また、片方の足だけが曲がっている場合も、病的である可能性があります。
病的なO脚・X脚とは、Blount病やくる病、骨端線障害、骨系統疾患などの可能性があるものであり、これらは自然に治りにくく、治療を必要とします。

O脚・X脚に関する疑問3つ

ここまで、O脚・X脚について生理的な場合と病的な場合を説明しました。
これをふまえて、お母さんからよく頂く質問に答えてみます。

Q1:O脚・X脚は成長すると治りますか?

生理的なものであれば、成長とともに自然に治ります。
ですが、病的なものは治りにくいです。

Q2:病院に行ったほうがいいですか?

お子さんのO脚・X脚が気になった場合、一度病院の先生に診てもらったほうがいいでしょう。
近々健診の予定があるのであれば、そのときに相談してもいいですし、健診の予定がないのであれば受診しましょう。

Q3:相談は何科にかかればいいの?

O脚・X脚について詳しいのは整形外科です。

小児科の医師もO脚・X脚について一定の知識は持っていますので、かかりやすい小児科があるのであれば、まず小児科医に相談するのもよいです。
小児科医はO脚・X脚を診察し、それが生理的なものか、病的なものかを判断します。
病的なものである可能性があれば、採血検査でくる病のチェックをしたり、レントゲン撮影をしたりするかもしれません。

ただ私の場合は、それが生理的なO脚・X脚であると断定できないとき、整形外科にすぐ紹介することが多いです。

まとめ

大半のO脚・X脚は生理的なもので、自然に治ります。
ですが、一部には病的なものもあります。
私は「くる病以外のO脚は2歳過ぎまで経過観察でよい」と考えていますが、逆に言うとくる病は早期治療が大切です。

冒頭で述べた通り、私は健診で病的なO脚・X脚の可能性を疑うと、「O脚(またはX脚)が気になります。整形外科を紹介しますね」とまずは整形外科の先生に診てもらうようにしています。
自分では採血とかレントゲンとかを計画しません。

やはりO脚・X脚の医療の中心は整形外科の先生だと私は思っています。
私の役割は、O脚・X脚の子どもに気づいて、整形外科につなぐことです。
もし整形外科の先生から「くる病かもしれないので採血をお願いします」と言われたら、喜んで採血させてもらいます。
(子どもの採血は、整形外科より小児科のほうが得意だと思っています)