細菌とウイルスの違いを説明できますか?
皆さんがよく知っている細菌といえば、ビフィズス菌とか、納豆菌とか、乳酸菌とかでしょうか。
皮膚炎を起こす菌としては、ブドウ球菌とか、アクネ菌とかが有名です。
O-157のような大腸菌やサルモネラ菌は食中毒として有名ですし、ニュースで聞いたことがあるでしょう。
こうしてみると、生活に役立つ良い菌と、病気を起こす悪い菌がいるんだなーと思うかもしれません。
ウイルスは、インフルエンザウイルスとか、コロナウイルスとか、RSウイルスとか。
食中毒としてはノロウイルスが有名でしょうか。
コンピュータウイルスというのもあります。
細菌とは違って、生活に役立つ良いウイルスというのは思いつきません。
ウイルスには悪いウイルスしかいないと思います。
こういうのも、1つの違いと言えるでしょう。
そして他にも、細菌とウイルスには違うところがあります。
今回は、細菌とウイルスの違いについて重要なところだけをまとめておきます。
細菌とウイルスの重要な違い2つ
何に着目するかで、違いはたくさん指摘できます。
大きさに注目したり、構造に注目したり。
ですが、私が重要だと思う細菌とウイルスの違いは2つだけだと思います。
- 増殖方法
- 抗菌薬が効くか
この2つの違いだけを知っておけば、細菌とウイルスの特徴を理解できると思います。
ウイルスは生きている細胞の中でしか増えられない
細菌は栄養があれば勝手に増えます。
(空気が苦手、という理由で死んでしまうことはありますが)
牛乳の中で、乳酸菌は乳糖を栄養にして増殖します。
そして牛乳はヨーグルトになります。
ですがウイルスは生きている細胞の中に入らなければ増えることができません。
ウイルスは生きている細胞の中でしか増えられませんから、たとえば牛乳の中でウイルスが活動することはできません。
したがって、ウイルスでヨーグルトを作ることはできません。
ヒトの中で増えたウイルスも、そのヒトが死んでしまったらそれ以上増えることはできません。
ウイルスは生きている細胞の中でしか増えないのです。
増殖方法の違いを知ることで、細菌とウイルスのイメージが大体つかめると思います。
コンピュータウイルスというのは、まさにそのイメージをとらえた表現です。
コンピュータウイルスはプログラムですから、動いているコンピュータの中でしか増えることができません。
壊れて電源が入らないようなコンピュータの中ではプログラムが動かないので、ウイルスは増えません。
もしこれがコンピュータ細菌だったら、壊れたコンピュータの中でも増えたり、コンピュータの外で増えたりするようなイメージになります。
ウイルスに抗菌薬は効かない
ウイルスと細菌で違うのは、増殖方法だけではありません。
抗菌薬が効くかどうかも違います。
抗菌薬は、細菌にしか効きません。
ウイルスには抗菌薬は全くの無効です。
風邪の原因はウイルスです。
つまり、風邪には抗菌薬は効きません。
ちなみに、インフルエンザや水ぼうそうには抗ウイルス薬が一応あります。
ですが、抗ウイルス薬があるのは、例外中の例外という認識で良いと思います。
このあたりは、動画でも解説しました。
風邪にはどんな治療をするか
風邪はウイルスであり、ウイルスには抗菌薬は効きません。
したがって、風邪に対してカプセルをポンポン投げまくって、ウイルスを倒そうとする「ドクターマリオ」のイメージは捨てなければなりません。
ウイルスに対しては、水分をとって、しっかり休むことが治療になります。
そうすることで、自分の免疫で必ず治ります。
しっかり休むのに、解熱薬を上手く使ったり、鼻水を吸ってあげたりすることが役立つかもしれません。
動画のように、風邪の咳を鎮める方法としては、鼻水吸引(1歳以上)、ハチミツ、親の禁煙が有効です。
まとめ
ウイルスは細菌と違って、生きている細胞の中でしか増えられず、抗菌薬は効きません。
風邪はウイルスなので、抗菌薬を使わないことが賢明です。