インフルエンザに対するお薬はいくつかあります。
その中でもっとも新しいのがゾフルーザです。
ゾフルーザは2018年3月から販売開始されました。
発売当初、まだ知見が少ないこともあり、私もその使用に慎重な立場でした。
2022年に出版した拙著でも、このように記載しています。
バロキサビル(ゾフルーザ)については、本書での解説は差し控える
2026年時点で販売から8年経過し、ゾフルーザには様々な知見が加わりました。
今回は、そのうちの1つを紹介します。
このページの目次です。
ゾフルーザは、タミフルより有効なのか
全文、無料で読むことができます。
12歳以上の、合併症のないインフルエンザを対象とした中国の多施設共同・観察研究です。
ゾフルーザ群330人とタミフル群179人とを比較します。
インフルエンザの解熱までの時間は、ゾフルーザ群で18時間、タミフル群で30時間でした。
症状消失までの時間は、ゾフルーザ群で28時間、タミフル群では48時間でした。
有害事象については有意差がありませんでした。
結論として、発症後12-48時間のインフルエンザ患者にはタミフルよりゾフルーザのほうが適している可能性を示唆しました。
日本感染症学会の提言
日本感染症学会の「ゾフルーザの使⽤についての提⾔ 2025/26シーズンに向けて」では、下記の追加がありました。
バロキサビルによる治療効果はNAI(タミフルなど)に優ります。
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬 バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザⓇ)の使⽤についての提⾔ 2025/26 シーズンに向けて
なお今回紹介した論文は、上記提言の参考文献16に該当します。
私の解釈
今回紹介した論文は、観察研究です。
状況が変われば結果も変わる可能性があり、確実にゾフルーザが有効とはいえません。
また、12歳以上の対象とした試験ですので、少なくとも11歳以下の子どもに対してはゾフルーザ優位とは言えないでしょう。
子どもは内服後に嘔吐してしまうことが多いため、ゾフルーザの「1回で内服終了」というのはデメリットにもなりえます。
それでも、12歳以上のインフルエンザ患者にとって、ゾフルーザは「1回で終わるので楽」というメリット以外に、「多剤より効くかもしれない」という知見が加わったことは、臨床上大きなインパクトであると考えます。





